がまだし店長のすってんころりん日記
♪ 歩き出した頃 ♪
白杖を初めて手にした時、「盲人用」という手紙が届いた時、困惑したのを思い出します。
私が盲人? 白杖をこれから人前で出して歩くの?
途中から視力を失った人は、おそらく誰でも経験があると思います。見えている時に白杖を持っている人を駅で何度も見かけた事はありましたが、まさか自分が・・・。
しばらくは、家の周りでは杖を出すことが出来ませんでした。 家人と一緒の時だけ、駅から白杖を出していました。 しかし、白杖を持つ事は自分を守る事、自分の立場を理解してもらえる事と知ると、私の覚悟が決まりました。
それからは、背筋を伸ばして、堂々と歩くようになりました。
今は失敗も笑えるようになりましたが、当初は、小さな失敗もその都度落ち込んだり嘆いたり。 そして最後は「見えていれば、こんなこと!」と愚痴がこぼれるのです。
痛みも時が少しずつ忘れさせてくれるのでしょう。
時々「大変でしたね」と慰めてくれる人には申し訳ありませんが、「もう忘れました」と言う事にしています。忘れ上手になったんだと思います。
外出の相棒は「白杖君」 身長120センチ、頭は黒くて体は白、細いのですが、実に頼りになります。
2022年1月30日(日曜日)